前回の記事でも書きましたが、先読みは全員が同じようになるものでなく、その時点でのレベルによって方法が変わります。
※前回の記事はこちらから
TOEICリスニング攻略 その1 ~「先読み」は必要か
基本的に英語に慣れてくると気持ちに余裕もできてきますし、そもそも聞き取れてくるので、点数が高ければ高いほど先読みする量は減ってきます。
ではここで具体的にご紹介しますが、まずはレベルにかかわりなく共通することをあげておきます。
- リスニングが始まったらすぐにPart3の先読みを・・・
無理して始めなくて大丈夫です。
先読みについては多くの方が、Directionは聞く必要はないので、この時間を使って先読みをしておく、ということを書いています。
たしかに、ただでさえ先読みははじめのうちは難しいので、少しでも早く文を見ておいた方がよさそうな気はしますよね。
ですが、緊張もしますから結局忘れてしまいます。
ですから、ここではあえて落ち着いてナレーションを聞き、その日の聞こえ具合(会場のということでなく、その日の自分のリスニング力がどうか)、を確かめつつ、Part1に落ち着いて臨む、というので全く問題ありません。
あとで本格的にPart3が始まったときのために、軽く目を通すというくらいはしてもいいと思いますが、正直ここで無理をしなくてもさほど変わりません。
実際私は初期のころでも、Part1のDirection時にPart3の先読みは全くしていませんでしたが,300点台は取れていました。
TOEICは集中力や精神力との戦いでもあるので、忙しいPart3や4に向けてはじめはゆっくり行うくらいでいいでしょう。
- 基本的には先読みは次のセットのみ。
2セット先までやっても、先ほど同様、覚えられませんしあわててしまいます。ですから、基本的には次のセットの準備をしていくというつもりで大丈夫です。ただし、Part3と4のディレクションの時は少し時間がありますから、2セット目も見ておいていいと思います。
これを踏まえてこのように進めます。
Direction時
Q31~33の先読み
Q31~33の会話文
ここはしっかり聞きこみます。
Q31~33の設問時
理想は2問目までに3問答え、3問目がながれているときに、次のセットの先読みをはじめる。
Q34~36の会話文
しっかり聞く。
Q34~36の設問時
上記同様、2問目までに終了、すぐに先読みを始める。
この繰り返しです。
400点に近づいてくると会話文が流れているうちに1問目を解けるようになってきます。ただ、直後に2問目に関することが流れていて聞き逃すこともあるので、はじめのうちはしっかり聞きこむということがいいと思います。
450点~満点を目指すとなると会話文が流れているときにどんどんこたえられるようになった方がよいです。
この時こんな悩みを持っている方はいませんか?
マークをしていると聞き逃してしまう。かといって後でまとめて答えようとすると忘れてしまう
というものです。この場合、この作戦がおススメです。
問題冊子の方の正解の選択肢を指で押さえておく
ご存じのとおりTOEICはメモが禁止です。ですから、右利きの方は左手を上手に使って正解の選択肢を抑えておくようにするとやりやすいです。
さて、ここで例の問題があります。選択肢の先読みをするのか、しないのか。これについてはこのように考えるとよいと思います。
リスニング400~420点程度までは設問だけでなく選択肢の先読みもし、
それ以上であれば、基本は設問のみ。
上記の「慌てないように」という観点とは矛盾するかとも思いますが、TOEIC初心者、中級者はリスニングがところどころ聞こえないので、選択肢を読んで答えの予想までしておくことでポイントをつかめるようになってきます。
実際、設問だけ読んでおいても、あとから見たら想定していない選択肢だったりすることが多々あります。ですから、慣れていないうちは選択肢もしっかり先読みをした方がよいわけです。
模試を何個も解いて慣れてくると答えの予想も十分つく上に、リスニングが割とクリアに聞こえてきますので、選択肢まで読む必要がなくなるわけです。ただし、設問を読んでこれは選択肢を見たほうがよさそうと思ったときはそこは読むとよいでしょう。
なお、私は各セットの1問目を確実に正解するために、3つの設問を先に読んだあと1問目の選択肢を見ることは割と多いです。
ちなみに、ある設問だけ、選択肢を先読みしなくていいものがあります。
これはいわゆる「意図問題」と呼ばれるものです。男性が「○○」というとき何を意図していますか(What does the man mean when he says ” ○○ “?) 、というあの問題です。これについては、選択肢も長いですし、文の流れが多少つかめれば正解できることも多いので、無理して選択肢の先読みをしなくてよいと思います。
さて、このあたりでこんな質問(文句?)が出そうです。
「そもそも選択肢の先読みができなくて困ってる」
「選択肢の先読みで時間が足りないから困ってる」
結局初級者ほど選択肢の先読みは難しいので、矛盾してしまっているのですが、それでも先読みをしないと上記のように、想像もしない選択肢があったりするのでやはり事前に見ておくことが、点数アップの秘訣にはなります。
ですから、はじめ不慣れなうちはすべて把握できなくても、それぞれ文頭3単語位を追いかける、というのでもだいぶ違います。
ただ、やはり基本的にはきちんと目を通せるようになりたいところです。そこでこれには、Part5の特訓が役立ちます。Part5の短文がすぐに理解できるようになってくると、リスニングの選択肢もすぐに読めるようになります。
リスニングの選択肢は短いですから、Part5の処理が早くなればおのずとPart3やPart4の選択肢も早く読めるようになります。
リスニングの点数アップは、リスニングの練習だけにこだわらず全体的な練習をされるとよいと思います。
以上私のやっている先読みの方法をご紹介しました。基本的に極端に高度なことはしなくてもTOEICのリスニングは満点が取れますので、ぜひお試しください。
ここで余談です。私だけかもしれませんが、400点前後で少し壁にぶつかります。そろそろ先読みを全くやめてしまった方がよいのではないか、というものです。
というのも、このころになると慌てさえしなければ割と聞こえるという状態になるので、先読みであわててしまうことで点が下がる気になってしまいます。
私はここで一回先読みをやめてみて実験しましたが、そうはいっても先読みをした方が点が取れることに気がづきました。
なので基本的には先読みはした方がよいわけです。リスニングで満点といっても、ようやく満点というレベルと軽く満点というレベルがあり、最終的には軽く満点をとれるレベルにしたいと思うので、先読みなしにもまたいずれ挑戦しますが、TOEICで点をあげるという観点では先読みは有効だということが言えると思います。