【英検準1級】勉強法・おすすめ参考書

合格率約15%のまずまずの難関である英検準1級。ここではその勉強方法とおすすめの参考書をご紹介します。

では、分野別にご紹介しましょう。

単語・熟語 語彙対策

試験内容の紹介のページ(まだの方はこちらから)にも書きましたが、準1級には文法は出ません。ですから、準1級でまず一番に対策すべきなのは、単語・熟語の語彙対策です。そもそも単語・熟語を直接問う問題が、Reading全41問中25問あるわけですから、ここをどれだけ正解できるかが合否のカギを握るといっても過言ではありません。正直、2級までなら単語の勉強をしなくても受かるという人は少なくありませんが、準1級からはさすがにそうはいきませんので、しっかりと語彙力を増やして挑んでください。

では、ここで準1級対策のための単語帳をご紹介しましょう。といっても、まずは定番のこれです。

 

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そう、パス単です。(笑)

単語帳は人によって好みが分かれますが、少なくともきちんと準1級用の単語帳を使った方がいいと思います。過去問をやるとわかりますが、やはり準1級用の単語帳から多く出題されていますので、効率よく勉強できると思います。

ここで単語帳の使い方に少し触れておきましょう。

どの単語帳を使うにしても、個人的にはきちんと単語帳には何かしらのマークを付けたほうがいいと思います。おすすめは、覚えていない単語に印、です。

というのも、覚えたものに印、とするよりも、覚えていない単語に印、として、やるたびに覚えていなければ印をつけていく方が、特定の単語が単語帳の中で目立ってくるからです。

さらに、だんだん覚えてくるとその単語だけ集中して覚えるということもできるようになるため、効率も上がります。

自分も単語暗記は依然苦手でしたが、ある程度単語力がついた今思うのは、

結局中途半端にしかやっていなかった

ということです。おそらく単語暗記が苦手という人は、私同様やり方よくなかった、ということだと思います。やるからには徹底的にやりこんだ方がいいでしょう。

単語暗記の詳しいやり方はこちらもご覧ください。

さて、そんな感じで単語を覚えるのですが、さらに覚えた単語を定着させるためにやっていただきたい問題集があります。それが、

 

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です。2冊ご紹介しましたが、どちらでもいいと思います。ただ、できれば両方やりましょう。

これらは、英検の語彙問題の類題を練習できる問題集です。これを何周かするのですが、主な使い方は、

  • まず1周目は正解の単語の意味をおぼえる。
  • 2周目以降で、正解以外の選択肢の意味をできるだけ覚える。
  • 単純に答えを言えればよいということでなく、毎回きちんと訳していく。
  • 周回数が増えてきたら1問20秒~30秒程度で、文の意味も理解して正解できるようにする

といったように進めます。とくに、4つ目ができるようになると、英文を早く読めるようになります。英検準1級にチャレンジするレベルの人はTOEICで700点前後なわけですが、この状態だと、おそらくまだほとんどの英文を日本語に訳しているはずです。英検にしろTOEICにしろ、それだとreadingは当然のことながら、listeningで大苦戦します。この単語対策を通して、英文をだんだん英語のまま、もしくはスピーディーに日本語に変換できるようになる練習をしましょう。そのためにはこれらの語彙対策問題集が本当に効果的です。実際に私はこの英検の対策でTOEICの点があがったくらいです。

 

長文対策

正直、準1級では難しい構文等は出てこないので、語彙力がつけば全然戦えます。過去問は当然やるとしても、単語対策ほど時間をかけなくても合格できます。とはいえ、それなりに問題を解いた方がよいと思うので、「出る順合格問題集」あたりで練習するとよいと思います。

これを解きさえずれば、としてしまうと乱暴なので、ここで一つ、長文問題(内容一致問題)の必勝法をご紹介します。それが、

選択肢を必死に訳すこと

です。これは英検に限らないことですが、基本的には長文の内容一致問題というのは、長文中に書いてあることの言い換えを選ぶわけです。ということは、本文に少し難しい単語が出てて大事そうな文章が訳せなくても、選択肢を訳していくことで、逆に長文の内容が理解できたり、それによって未知の単語の意味を推測できることがあります。英検は特にそれが顕著で、選択肢に難しい語彙が使われていることは少ないので、困ったときは選択肢をしっかり訳すようにしてみてください。

ちなみに、本文中と同じ言葉を使っている選択肢はあやしい(不正解という意味で)ので、気を付けましょう。

ライティング対策

120~150語のエッセイを書くわけですが、書くためのヒントが問題に提示されていてるので、事前に少し練習しておくくらいで大丈夫です。

ただ一つ大事なのは、ライティングにかける時間をどのくらいとるかうことは意識しておかなければいけません。最低でも15分、20分くらいあると余裕をもってかけると思うので、その時間で書く練習はしっかりしておきましょう。

割とライティングの平均点は高いようで、受験者全体で7割くらいのようですから(3技能の中で一番高いです)、意外と書いてみると思ったよりいい点がつくとおもいますので、そんなにじっくり練習して臨む、ということまで。いらないと思います。

リスニング対策

準1級ではリスニングで苦戦する人が少なくありません。私もそうでしたし、私の知人たちも不合格の原因になったのはリスニングです。そのくらい準1級のリスニングは難敵です。

特にPart2が150語程度の英文の聞き取りで、内容も科学や歴史など、リーディングでも出てくる内容が普通にリスニング問題として出題されるので、きわめて難しいパートになります。

Part1やPart3は極端に難しくはないので、ここではPart2の攻略について書いていきます。

まず、Part2の試験での実際の解き方について触れておきます。基本的にPart2(Part1もですが)は選択肢は印刷されているものの、TOEICと違って質問文が印刷されていないので、先読みというのは限定的になります。問題と問題の短いうえに選択肢も長いので、問題ごとに先読みをしている時間はありません。ですので、仮に先読みをするならPart1が終わってPart2の説明が流れているときです。ここである程度選択肢に目を通して、何のテーマについての話かを想像しておくのはいいと思います。ただ、基本その後は、放送される文を集中して聞くのが一番いいと思います。メモを取るというように言う人もいますが、無理してメモして聞き逃してしまうようなら、メモを取る必要はありません。実際、正解以外の選択肢はちゃんと聞けていれば全く違うとはっきり区別できるものが多いので、私はメモを取っていませんでした。

では、ここでPart2対策のご紹介ですが、非常にシンプルです。

毎日シャドウイング・オーバーラッピングをする

これが一番です。長い英文のリスニングになれていない場合はまずこれ慣れることが必要です。さらに、音声は一回しか流れませんから、一回聞いただけで内容を理解する必要があります。その練習はしなければいけないので、最低でも1か月は毎日やりましょう。この時使う教材は、過去問が一番です。1日1問やるだけでもいい思いますが、単に1日1回聞くというのでは意味がありません。きちんとシャドウイングやオーバーラッピングをしてきちんと声に出して練習することが大切です。そもそもリスニングは自分が発したことがないと聞き取れません。ただでさえ内容が難しい文章ですから、それを自分でも声に出しておかなければ聞き取れるようにはなりません。リーディングは一度にたくさんやって効果が出ますが、リスニングは地道な作業が必要です。リスニングで苦戦する人が多いのはこうしたことが原因でもあると思います。

ただし、リスニングの点をあげるのはリスニングだけでなくて、リーディングの量も必要にはなります。単語対策のところでも書きましたが、文章を読むスピードが速くなればリスニングにも効果が出てきます。ですので、単語対策の問題集はリスニング対策にもなると思って解き進めるといいと思います。

 

面接(2次試験)対策

最近では2次試験対策の問題集もいろいろなものが売っていますが、いくつか見た中で、実際に面接で役立った、と思ったのがこれです。

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定番の問題集かと思いますが、実際受けてみたときの難易度の観点でいうとこれがぴったりです。ほかの問題集を見ると結構高度なことを問われるものがありますが、そんなに難しいことまでできるようなる必要はなく、この本のレベルのことができれば十分です。

そして、この本は14日でできる、と書いてありますが、本当にその通りで、この期間この本でしっかり練習すれば、余裕で合格できます。

この本で実際に何をすればよいかというと、

  • まずは、面接の流れをつかむ。
  • 同「内容」のことが言えるようにする。

準1級の二次試験は、4コマのイラストにナレーションを付けるのがメインですが、実際にこの本の例題でナレーションを作れるようにします。この時、当然一語一句同じことを言う必要はありません。同じようなことが言えれば十分です。

ナレーションの後の質問対策もこの本のもので十分です。実際本番でもこの本に載っている問題を聞かれました。

多少つっかえても問題ありません。聞き返しても1回(おそらく質問ごとで)だけなら減点されません。何なら私の時は面接官がかんで言い直してました(笑)

 

いかがでしょうか。確かに英検準1級は簡単とは言えないところもありますが、やってみると意外と簡単なものもあります。特に面接はあっさり受かりますので、ポイントは語彙とリスニングPart2です。受かったときの充実感はなかなかのものですので、ぜひ頑張ってみてください。

 

【英検準1級】試験内容、難易度について

 

最近は大学入試の改革も影響し、英検を受ける人が増えていると思います。その中でも以前にも増して準1級の需要が増えているのではないでしょうか。というのも、大学入試の4技能試験は一旦延期になったものの、多くの大学で英検を利用した受験はなくなっておらず、特に準1級を取っておくと、2級よりも大きなメリットを得られるケースも少なくないため、高校生の受験も増えています。実際書店に行くと昨年あたりから準1級の対策本も急増しており、これからますます準1級の受験者は増えると思われます。

そこでこのページでは英検準1級について、試験内容や難易度から、勉強方法、おすすめの参考書などをご紹介していきます。

英検準1級 試験内容

設問ごとに見ていきましょう。

Reading 大問1

語彙問題です。英検1級もそうですが、一般的にはここが最難関といわれています。25問出題されますが、21問が単語、4問が熟語の問題です。2級までのように文法問題は出題されません。

Reading 大問2

長文(250語程度)の空所補充問題です。1つの文章に3問ありで、それが2つ出題されます。(計6問)

Reading 大問3

長文の内容一致選択の問題です。文章は3つ。300語程度の文章に問題が3問、400語程度の文章に3問、500語程度の文章に4問で計10問出題されます。

Writing

与えられたテーマについて、120~150語の文章を書きます。テーマは社会問題や科学技術など様々で、多くは賛成か反対かを書く問題です。理由を2つ書かなければいけせん。ただし、準1級ではどの視点で書けばよいかが明示されているので、何を書けばよいかということで困ることは少ないと思います。

Listening Part1

会話の内容について一致するものを選ぶ問題です。12問出題されます。

Listening Part2

150語程度の文章を聞き、その内容について一致するものを選ぶ問題で、12問出題されます。放送される文章は環境問題や歴史、科学についてのもので、普段リーディングで読むような難しい内容が放送されます。リスニングはリーディングより易しい文章になるというイメージを持っている人も多いと思いますが、ここは容赦なく難しい文章が出てきます。リスニングではここが間違いなく一番難しいです。英検準1級全体の中でもこのPartをクリアできるかが合格のカギを握っているといっても過言ではないでしょう。

Listening Part3

「Real-Life形式」と呼ばれる問題で、あらかじめ印字された「situation」を読んで、その後放送された英文に合うものを選択する問題です。5問出題されます。

Real‐Life形式の問題は例えば以下のような問題です。

(H16第2回より)※選択肢は省略

situation:You are a new overseas student at a Canadian university.You want to get a part-time job as soon as possible. Your adviser gives you the following information.

Question:What should you do for the time being?

このように、実生活における状況をあらかじめ読んで、実際に放送される英文では、あなたがこうならこうすべし、という案内が流れてきます。印字されている状況とは違う状況も流れてくるため、良く聞き取る必要があります。

Speaking(2次試験、面接)

通常の英検では1次試験を合格した場合に、2次試験でスピーキング力が問われます。(最近は1日で受けられる、CBT形式もあります)

約8分間、面接官との1対1の面接です。まずは簡単な会話をしたあとカードを渡されますので、1分間考える時間を与えられた後、4コマのイラスト内容を英語で2分間ナレーションをします。その後4問の質問に答えるのが大まかな流れです。

準1級の難易度について

英検協会から提示されている準1級のレベルは

大学中級程度

です。とはいえ、これだとピンとこない人も多いと思いますので、他の級や身近な試験で比較をしていきましょう。

まず英検3級です。これは中学3年生までの内容です。ただし、英語の得意な人は中2の冬に合格するケースも多いです。というのも、英検は低い級は文法問題も出題されますが、3級で中3の内容が多く出題されることはないので、合格点を取るだけなら中学2年生の内容までわかっていれば十分だからです。小学校から英語をやっていたという子なら中1で合格することも十分可能です。

英検準2級も、高1内容までの出題ですが、中3までの内容がわかっていれば十分に合格できます。英語の得意な中3生が秋に受験すれば十分合格できる程度の難易度です。3級と準2級はあまり難易度の差は感じられませんが、単語を少し多く覚える必要があるでしょう。

さて、ここから級が上がるごとに壁がどんどん高くなってきます。

英検2級は高校生3年生までの内容です。高校生ならセンター試験で換算するとイメージがわきやすいかもしれませんが、だいたい120~140点くらいです。英語の得意な高校生なら高2の秋ごろで取得はできるとは思いますが、中学生が2級を取るというのはなかなか大変でしょう。高校生で習う文法が長文にも出てきますので、準2級と2級の壁は結構厚いように思います。ただ一方で海外に住んでいたことのある小学生なら2級はあっさり受かるというレベルでもあります。なぜならメールの文章を読み取る問題が出てきたりするなど、比較的日常で使う言葉がまだまだ多いからです。

長くなりましたが、この流れでの準1級です。2級でいう、センター120~140点程度というのは、平均点をやや超えている程度ですから、準1級には高3の英語がある程度わかっているというのでは足りないレベルです。ただし、基本英文法というのは高校生までで英語全体の9割以上は習っているといわれていますし、準1級にはそもそも文法問題は出ません。ですから英検準1級を難しくしているものは、はっきり言って

語彙力

です。

ここでいう語彙力は、まずそもそも量が必要です。準1級に合格するために必要な語彙数は7000~9000程度といわれています。2級が4000~5000程度ですので、さらに単語帳1冊~2冊を覚えないといけないイメージです。

それともう一つ難しいのは言葉そのものが難しくなります。準1級は日常的な内容よりも、科学や歴史、社会問題などを扱うので、そもそも子どもには内容がが難しいのです。2級で海外に住んでいた子の話を書きましたが、準1級になるとこうした理由で合格率が下がります。

ですから、2級と準1級には大きな壁がそびえたちます。一般の大学生が受験しても一回で合格するのは至難の業です。

日本では中学・高校の英語教師には準1級程度の英語力を求められていますが、実際には準1級を取得できている先生は高校で半分程度、中学では3割程度だそうです。こうしたことからもその難易度がわかってくると思います。

※ただし、受けていないだけで準1級程度の英語力を備えている先生は多くいらっしゃると思います。

準1級レベルだとTOEICとの比較もイメージがわくと思います。大まかな目安でいえばTOEICで800点前後が準1級合格の目安になると思います。私は準1級に合格した同時期のTOEICで785点でした。

なお、TOEICはMARCHレベルの大学生が受験して600~700点くらいです。ですので、準1級は大学受験でいうとこれらの大学よりは難しいかもしれません。ですが、はじめにも書いたように現在は準1級を持っていると一部の大学では相当受験で有利になってきています。中には英語を満点扱いにするという学校もあるくらいです。入試で満点を取るのと準1級を取るのでは考えようによっては準1級のほうが簡単ではないでしょうか。入試の緊張状態で満点というのはなかなかのものですよね。ただ、そのくらい英検準1級には価値があるということは言えるでしょう。

ちなみに、早稲田大学の国際教養学部は英検準1級を持っていると入試で10点加点されますが、2級だと5点の加点です。ただしこの学部は英語で授業が行われるような学部で、さらに上のレベルの生徒も受験します。1級で15点の加点ですが、これを使う受験生が必ずいます。もし準1級の加点がないと10点の差が開いてしまうので(さすがに早稲田であれば2級の5点の加点を使えない生徒は合格できません)、この学部を受ける多くの受験生が準1級に合格してこの学部の合格を目指すことになります。ですから、英検準1級はこのあたりの大学のレベルということが言えるでしょう。

 

いかがでしょうか。これから準1級を目指す際にどの程度まで英語力を引き上げるべきかということをイメージしてもらえるようにいろいろ情報を書かせていただきました。長くはなりましたが、少なくともいえるのは、準1級合格はそれなりに高い壁ということです。おそらく英語が得意な人ばかりがいるという特殊な環境でなければ取得者はそんなにたくさんいないと思います。合格率は大体平均して15%程度ですので、それなりに英語力のアピールにも使えますし、取得する価値は大いにあると思いますので、ぜひ準1級にチャレンジしてみてください。

別のページで、具体的な勉強方法やおすすめの参考書をご紹介します。

※途中で、大学入試との比較を書きましたが、検定と大学入試は測っているものが違うので一概にはこちらが難しいというのは言えません。単語レベルは検定が上でも、大学入試では、英作文や和訳、要約なども出るため、そちらのほうが難しく感じるということもあると思います。あくまで難易度の目安として参考にしてくださればと思います。